2023年の618セール期間中、各種ECプラットフォームの合計売上高は7987億元（約1.6兆円）に達し、新たな消費者行動の波を生み出しました。これらのプラットフォームの中で最も注目されるのが、EC総合プラットフォームの「淘宝天猫」と「京东」、とライブストリーミング配信ECプラットフォームの「抖音」と「快手」の4つです。これらのプラットフォームによる618セール（商戦）の戦況を確認し、中国のネットショッピング消費者の購買習慣の変化を考察していきます。

星图数据监测によると、2023年の618セール期間における総合ECプラットフォームとライブストリーミング配信ECプラットフォームの累計売上高は7987億元に達しました。

プラットフォーム別に細かく見ていくと、総合ECプラットフォームの売上総額は6143億元に達し、その中でもアリババがトップを独占し、京东がそれに続いています。一方、ライブストリーミング配信ECプラットフォームは新規参入者として大型セール期間で最も注目を浴び、618セール期間における累計売上高は1844億元に達しました。抖音は他のプラットフォームに比べて優位性を示し、阿里巴巴の点淘（diantao.com.cn）が2位、快手（kuaishou.com）が3位にランクインしました。残りの167億元の売上高は主にコミュニティグループ購入などから生み出されました。

京东の店舗祝祭日として始まった618セールは、現在天猫、京东、抖音、快手の4つのプラットフォームが主戦場となっていることが明らかになりました。今回は、これら4つのプラットフォームの売上実績を紹介し、アフターコロナの中国のネットショッピング消費者の消費習慣の変化を垣間見ていきたいです。

１、淘宝天猫 (Taobao Tmall) 公式HP: Taobao / Tmall

淘宝と天猫は中国最大の総合ECプラットフォームです。今年の3月28日、アリババグループの会長兼CEOである張勇氏は全社員に向けてメッセージを発表し、淘宝と天猫を統合し、淘宝天猫ビジネスグループを設立することを発表しました。5月10日、杭州で開催された淘宝天猫618商家大会で、淘宝天猫ビジネスグループが初めて公開されました。

6月18日、淘天グループはデータを公開し、今年の「618」期間中、淘宝で短編動画を投稿する商店の数が55％増加し、達人は200％増加したと発表しました。また、淘宝の短編動画の平均視聴者数は113％増加し、閲覧数と視聴時間もそれに伴って倍増しました。これは消費者の情報収集の方法に変化が生じていることを示唆しており、動画コンテンツが消費者の購買意欲を刺激する有力な手段となっています。

6月18日までに、256万以上の中小企業が昨年同期比で「618」の取引額を超えているようです。また、118万人の中小事業者が「1万元の成約金額」を達成し、そのうち6.8万人が淘宝に参加してからわずか3か月です。0時を過ぎた6月18日時点で、売上高1億元を突破したブランドは305社もあります。これは淘宝天猫の強力な影響力を持つと同時に、中小企業に対しても多くの支援を行っており、地域経済の活性化に貢献していることを示しています。

２、京东 (JD.com) 公式HP: JD.com

京东は中国第2の総合ECプラットフォームです。AI活用の自社物流網を武器にアリババと差別化しており、中国版のアマゾンのような存在です。

6月19日、京东は、2023年の618セール期間中に予想を上回る成長を遂げ、新たな記録を打ち立てたと公式情報で発表しました。特に、新たなトレンドカテゴリーが1200以上追加され、消費者に多様な選択肢を提供しました。これは、消費者の購買ニーズが多様化していることを示しており、京东がこれに対応するために商品のカテゴリーを拡大していることがわかります。

また、京东はオンラインブランド事業者の参加数が史上最高に達し、オフライン実店舗の参加数も新記録を達成しました。不完全な統計によると、合計、5億人以上の訪問者がオフラインストアを訪れました。これにより、京东のECプラットフォームはオンラインとオフラインの統合を強化し、消費者の購買行動に影響を与えています。

さらに、京东は「消費者1+1プラン」を通じて地元ブランドと協力し、消費者が購入した商品の金額に基づいて、地元ブランドが同額の商品を地元の消費者に寄付するという活動を行っており、これにより地域社会への貢献が強化されています。

３、抖音 (Douyin) 公式HP: Douyin

抖音電商は世界最大のライブストリーミング配信ECプラットフォームです。今年初めてECプラットフォームとして618セールに参入し、天猫、京东などのEC市場リーダーと競合しました。

6月20日、抖音電商は「抖音618好物节」のセール活動の成績を公表しました。データによれば、5月31日から6月18日までの期間において、抖音電商のライブストリーミング総視聴時間は4,202万時間に達し、ショッピングカートへのリンクが付いたショートビデオは1,309億回再生され、全体の売上高は66％増加しました。特に、抖音ショッピングモールの販売高は前年比177％増加しました。これは、抖音がライブストリーミングとショートビデオを活用して、消費者の購買意欲を刺激する販促手法が消費者に広く認められ、また確実にプラットフォーム上での商品購入を促進していることを示しています。

４、快手 (Kuaishou) 公式HP: Kuaishou

快手電商は世界第2位のライブストリーミング配信ECプラットフォームです。2020年には既にアリババ、京东、拼多多に次ぐ地位を確立しています。

6月19日、快手電商は618セールの成果を発表しました。データによれば、6月1日から6月18日のセール期間中、快手電商の注文数は前年比で約40％増加し、購入者数は約30％増加しました。ブランド商品のGMVは前年比で200％以上増加し、ショートビデオからの注文数は前年比で約210％増加し、検索からの支払いGMVは前年比で約130％増加しました。

後発組ですが、快手電商プラットフォームの代表的なライバーの辛选集団は618セール期間中の成長が特に顕著です。当集団は、6月18日には、今年の総売上高が前年比で60％増加し、総販売数量が1.28億件に達したと発表しました。これは、消費者が快手プラットフォーム上でのライブストリーミングやショートビデオコンテンツを通じて、商品に対する興味や購買意欲を高めていることを示しています。またライブストリーミング販促手法市場の競争の激しさを示しています。

まとめ

今年の618セールでは、淘宝天猫、京东、抖音、快手の4つのプラットフォームが大きな成果を挙げました。これは、消費者の購買行動や消費習慣が変化していることを示し、プラットフォーム側も新しいプロモーション手法やマーケティング戦略を活用して消費者のニーズに応えています。具体的には、消費者は低価格だけでなく、高品質な商品も求めており、これが各プラットフォームの売上増加に寄与しています。ライブストリーミングやショートビデオなどの新しい販売手法も、消費者の購買行動に大きな影響を及ぼしています。これらの要因が相互作用し、中国の電子商取引市場は引き続き急成長を遂げていると言えます。

私たちは、この急成長する中国の電子商取引市場の動向について、常に最新の情報を提供しています。これらの市場動向や消費者の購買行動の変化について、詳しく知りたいとお考えの方は、お気軽に船井総研ロジにご連絡ください。クライアント企業のビジネスを次のレベルに引き上げるための最適な戦略を一緒に考え、形成することができます。貴社のビジネス成功のために、ぜひ私たちの知識と経験を活用しましょう。

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