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巨大中国国内EC市場と越境ECの躍進


2023/04/25

REPORT

アリババグループ、京東グループ(JD)、ピンドウドウなど今中国で人気な総合型ECモールはご存じでしょうか。 ECがもはや社会インフラの一部となった現在、中国の越境EC市場規模は爆発的に成長を続けています。中国EC市場トップであるアリババグループの流通総額は楽天の20倍以上で、特に毎年「独身の日」セールスイベントなどの開催期間中、記録破りの売上を残しています。中国政府商務部の『中国ECレポート(2019年)』によると、2015年~2019年中国の越境E C貿易総額は50.8%の年平均成長率を達成しています。

一方、中国国内ECの成長率はどうでしょうか?中国国家統計局のデータによりますと、2015年~2019年中国国内EC市場総額は26.42%の年平均成長率で、越境ECはほぼその倍となります。2020年より続くコロナ禍の影響で海外渡航が制限され、中国人の海外旅行消費が越境ECへ大きくシフトしていることで中国越境ECの成長が顕著だといえます。中国越境ECは、中国国内ECに比較しますと7分の1の市場規模(グロス販売額)ですが、今後は成長し続けると予測されています。

図1 2015年~2020年中国越境EC市場と中国BtoC-EC市場貿易総額

図1 2015年~2020年中国越境EC市場と中国BtoC-EC市場貿易総額

中国越境ECは、すでに巨大市場として成長し続ける中国国内EC市場の基盤の上に成り立っているビジネスだと捉えるべきです。そこで、今回は中国国内EC市場について解説させていただきます。

6000万人以上が中国EC関連の仕事を就いている

中国国内宅配取扱個数が急速に増えています。日本国土交通省のデータによりますと、2019年日本の宅配便取扱個数は43億2,300万個となっており、2009年の31億3,700万個に対し10年間で37.8%の伸長率でした。一方、2019年中国宅配取扱個数はといいまと635億2,000万個で、日本の14倍以上となっています。この数字は人口比率をさらに上回る差ですので、ECサービスがすでに中国全土で定着している数字だと読み取れます。

莫大な物量を処理できる背景には、EC関連雇用の伸びにあります。2020年中国EC業界の従業者数は6,015万人で、対前年比17%も増加しました。アリババグループやJDグループは巨額投資を行いながら物流仕組を自社で整備し、より多く雇用を生み出しています。当然、雇用だけ増し人海戦術によるオペレーションではなく、デジタル化、ロボット化、省人化を進めながら、ECの新技術開発やマーケティング領域で新たな雇用を創出しているのが中国ECの特徴です。

中国の人口は日本の約13倍で、日本より遥かに大きいE C市場規模と多い物量があるため、海外市場を狙いたい日本企業にとって魅力的なビジネスチャンスがあることは間違いありません。以下中国E C市場で知っておいて損はないE Cプラットフォームトップ3について解説します。

中国国内ECを牽引する3大プレイヤー

競争が激しい中国EC市場で勝ち残ることは簡単ではありませんが、企業の市場価値が数千億元レベルのスーパーユニコーン企業が3社存在しています。その中で企業価値が1兆元レベルを超えているアリババグループ(タオバオ&天猫Tmall&天猫国際Tmall Globalの運営会社)が1位、上海尋夢信息技術有限会社(ピンドウドウの運営会社)と京東グループ(京東と京東国際の運営会社)が2位と3位となっています。3社とも2020年の決算書を公開しているので、下記の表で比較しますと:

図2 2020年中国E C市場3大プレーヤー比較

図2 2020年中国E C市場3大プレーヤー比較

中国ECのスーパーユニコーン企業は新型コロナウイルス拡大により成長に拍車かかっています。アリババグループは長年中国E C市場の1位を独占していると同時に104.02%の純利益増加率も実現できました。アリババグループはE Cの以外小売業界のデジタル化にも注力しているのが理由のようです。

ピンドウドウはアクティブユーザー数が7.9億人で、アリババグループを超えてます。2015年にスタートしたピンドウドウの売上はまだまだアリババグループや京東グループと比較したらかなり大きな差がありますが、97%の売上増加率を果たしていることで世界から注目されています。ピンドウドウはトップを取るため、投資に投資を重ね大きな戦略赤字を出してまで、ユーザーの獲得を急ピッチで進んでいます。すでにアリババグループの強力なライバルを君臨するまで至りました。

京東グループは売上の面では1位となっています。京東グループは日本でというアマゾンのような存在で、展開しているECプラットフォームは家電製品や高価格帯商品に強いため、ECの売上を比較するとアリババを上回ります。京東グループも1位のアリババのユーザー数を追い抜こうと、ユーザー獲得作戦に燃えています。現在こちらの3社はスマホ所有者がすでに日常的にアプリを使ってショッピングをする社会インフラとして確立しており、消費者はECプラットフォーム3つそれぞれの特徴を比較しながらうまく使い分けているのが実態です。

船井総研ロジでは、 お客様の目指す中国越境ビジネスの構築にむけて、商品特性を考慮した戦略を定めマーケティングとロジスティクスの両面から支援し、最適マーケティングと物流体制の構築を提案していきます。中国越境ビジネスに参画しようとしている企業様とのビジネスモデルのディスカッションを楽しみにしています。ぜひお気軽にお問合せください。

今後も中国越境物流の事情や、中国越境EC市場の動向を常に研究し、中国越境ビジネスで展開すべき具体的なマーケティング戦略について定期的にレポート配信を続けて参ります。

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